FUJINON XF18-120mmF4 LM PZ WR

FUJINON XF18-120mmF4 LM PZ WR

2024年3月23日

修正日 2024年3月23日

2022年9月29日に発売された富士フイルムの「XF18-120mmF4 LM PZ WR」ですが、その人気の高さから、しばらく品薄状態が続いていました。私も10月にようやく手に入れることができ、じっくりと使い込んでいます。
今回は、動画撮影に特化した機能が満載のこのレンズの魅力を、まだこのレンズのことをよく知らない方のためにご紹介します。

※2024年3月23日(土)時点では、品薄がすでに解消されているようです。

メーカーの公式サイトより参照

  • XF18-120mmF4 LM PZ WR
  • レンズ構成: 12群15枚(非球面レンズ3枚、EDレンズ3枚)
  • 焦点距離 :f=18-120mm(27-183mm)
  • 画角 :76.5°-13.5°
  • 最大口径比(開放絞り) : F4
  • 最小絞り : F22
  • 絞り形式 :羽根枚数 9枚(円形絞り)
  • ステップ段差 : 1/3ステップ 全16段
  • 最短撮影距離(撮像素子面からの距離 : 0.6m
  • 最大撮影倍率 :0.2倍(テレ端)
  • 外形寸法:最大径×長さ :1(約) Ø77.3mm×123.5mm 質量2(約) 460g
  • フィルターサイズ :Ø72mm
  • 同梱品 レンズフロントキャップ FLCP-72 II、レンズリアキャップ RLCP-001、レンズフード、ラッピングクロス


2022年9月29日に発売された富士フイルムの「XF18-120mmF4 LM PZ WR」は、その型番に特徴的な「PZ」の文字が目を引きます。これは「パワーズーム」の略で、レンズの大きな特徴となっています。
実は、富士フイルムのレンズで「PZ」と表記されたレンズは、今回が初めてではありません。2018年に発売された「XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ」がその一つです。こちらは、軽量でリーズナブルな価格ということもあり、エントリーモデルのXシリーズカメラとセットで販売されることが多いレンズです。
これらの「PZ」レンズは、電動でスムーズなズーミングが可能な点が大きな特徴です。特に、XF18-120mmF4 LM PZ WRは、高精度なモーターを搭載し、動画撮影時のフォーカスの追従性も抜群です。
一方、XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZは、より簡易的なパワーズーム機構を採用しており、防塵防滴性能もありません。ただし、レンズ内に手ブレ補正機構(OIS)を搭載しているため、ボディ内手ブレ補正機構のないXシリーズカメラと組み合わせることで、手ブレ補正効果を発揮します。


旧世代のカメラでは性能が発揮できない

XF18-120mmF4 LM PZ WRは、ボディ内手ブレ補正に対応したX-H1以降のXシリーズカメラとの組み合わせがおすすめです。本レンズはOIS(光学式手ブレ補正)を搭載しておらず、ボディ内手ブレ補正との連携が必須です。また、パワーズームの動作はカメラとの組み合わせによって異なる場合がありますので、お使いのカメラとの互換性を事前にご確認ください。

【公式サイト】パワーズーム(PZ)対応レンズの機能はどのカメラで対応していますか。(Xシリーズ)
https://digitalcamera-support-ja.fujifilm.com/digitalcamerapcdetail?aid=000008281&wd=LM

メーカーの情報を抜粋してみました↓

Camera Remoteを使用する場合は?
X-H2S、X-H2、X-S10、X-T30(II)がライブビュー時のズーム動作に対応。

XF18-120mmF4 LM PZ WRのフル対応は?
X-T4、X-H2S、X-H2、X-S10、となりX-T3についてはボディ内手振れ補正なしのため、動画撮影時はジンバルや三脚がほぼ必須となると思います。

新しい機種を
XF18-120mmF4 LM PZ WRとXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZは、X-T4、X-H2S、X-H2、X-S10といった最新のXシリーズ機との組み合わせがおすすめです。
特に、X-H2SとX-H2は、これらのパワーズームレンズの性能を最大限に引き出すことができるカメラボディです。スムーズなズーミングや、高速なAF追従など、パワーズームならではのメリットを存分に楽しむことができます。一方、X-T4やX-S10では、一部の機能が制限される場合があります。例えば、パワーズームの速度や静音性などが、X-H2SやX-H2と比較して劣る可能性があります。

サイズや重さ

サイズはXF70-300mmに近く、同じインナーズームを採用しているF2.8通しのXF50-140mmF2.8 R LM OIS WRよりも軽量でコンパクトです。またレンズ径は72mmなので XF50-140mmF2.8 R LM OIS WRやXF10-24mm F4 R OIS WRなどとフィルター類は共通して使用することができる点があります。

操作について

XF18-120mmF4 LM PZ WRガイド


XF18-120mmF4 LM PZ WRの操作は全部で5つになります。
写真の左から
1.フォーカスリング
2.ズームリング
3.ズーム/フォーカスコントロールリング
4.ズームボタン上下
5.ZFボタン

レンズに絞りリングの設定はありませんが”ボディ側のダイヤル”またはタッチパネルで絞りは調整可能です。動画向けのレンズなので、撮影中に明るさを変更する場合は”絞り”を変えるというよりは予め”NDフィルタ”などで変更することを初めから想定しているのかもしれません。


フォーカスリングについて
マニュアル撮影時やAFが少しズレている際に微調整で使用します。

ズームリングについて
個人的にこのレンズの中で一番操作する部分でリングの回転は軽過ぎず程よい重さで操作感覚はとても良いと思いますが、人によって意見が分かれそうな部分でもあるため、これは現物を確認して欲しいですね。

ズーム/フォーカスコントロールリング
回転の量で速度が変化するためスムーズなズームが行えます。手持ち撮影では手動のズームリングよりもカメラが安定します。ただ急いでズームなどを行いたい場合はズームリングの方が反応が早いです。

ズームボタン上下
ボタンの位置や大きさが小さいので扱い難い点はありますが、定速で自動ズームを行ってくれるため非常に便利な機能です。手持ちでの撮影では最も安定しますがズームの”動き出しと停止”が、ピタッ!と停止して機械的な動きになるため、予め低速の設定で使用した方がよいと思いました。
また対応のカメラによって機能をカスタムすることが可能。

ZFボタン
ズーム/フォーカスコントロールリングの切り替えボタンになります。
こちらも対応のカメラによってカスタムで他の機能に変えることが可能。

手持ち撮影でのレンズテスト

撮影場所:高塔山展望台

動画情報
撮影日時:2022年10月30日10時ごろ
天候:晴れ
使用したカメラ:フジフイルム X-H2S
使用したレンズ:ジノンレンズ XF18-120mmF4 LM PZ WR

三脚があれば本当はベストでしたが今回は手持ちのみでテストを行っています。
風の影響でカメラがブレていますね。ただ手ぶれ補正は以前テストしたXF10-24mmF4 R OIS WRと同等か少し優秀な感じがします。(個人的な感覚)
OISに対応していないレンズの方がX-H2Sは手ぶれの相性が良いのかな?また詳しいことがわかれば、この記事を更新します。

まとめ

XF18-120mmF4 LM PZ WRは、ドキュメンタリーや取材など、記録撮影に特化した高性能なレンズで、X-H2のような高画質機との組み合わせは非常に強力です。インナーズーム構造により、撮影時のバランスが安定し、様々な撮影シーンに対応できます。しかし、F4の明るさでは、シネマティックな表現には限界があるため、より表現力豊かな動画撮影を目指す場合は、XF50-140mmF2.8 R LM OIS WRなどの明るい単焦点レンズとの併用も検討しましょう。

※SNS情報ですがこのレンズはズーム中に輝度が変わるようです。確かにテスト動画でも少し輝度の変化がありますね。
※Ver.1.10でズーム操作中の露出追従性が向上したようです

XF18-120mm


FUJINON XF18-120mmF4 LM PZ WR

メーカー希望小売価格(税別):¥132,000

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